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9月10日 映画「羅生門」がベネチア国際映画祭で金獅子賞

 1951年の今日、「ベネチア国際映画祭」で、黒澤明監督の映画 「羅生門」 が日本映画では初の金獅子賞を獲得しました。

  この受賞によって、ヨーロッパ・アメリカなど世界に黒澤明や日本映画が紹介されるきっかけとなりました。

 この映画は大きな影響を与えました。
 影響を与えたのは、一つの事実に対して、相反する複数の視点にもとづいて、まったく違うように回想し、はたして真実はどうだったのかと、観客を混乱させる手法です。
 この後、アメリカなど多くの国の映画や小説に影響を与えました。

 芥川龍之介は「今昔物語集」などの古典から多くの素材を得て自分なりの創作をおこなっています。
  「今昔物語集」 巻29・第23話には、「丹後へ旅する途中、若い盗人に弓も馬も何もかも奪われたうえに、藪の中で杉の木に縛られ、妻が手込めにされるようすをただ見ていただけの情けない男の話」があります。ただ、ここでは殺人事件はおきていなくて、この夫婦はそのあと丹後へ旅を続けています。

 芥川は、この情けない男を殺して、殺人事件に仕立て上げて小説「藪の中」を創作しました。(この作品が映画「羅生門」の原作になりました)
 
 小説は、藪の中でおこった殺人事件を7人の証言者が証言・告白するという形式でなりたっています。
   第1発見者の木樵
   妻を連れた男と道で遭った旅法師
   盗人を捕らえた放免
   媼(妻の母)
   捕らえられた盗人   
   清水寺で懺悔する男の妻
   巫女の口を借りて現れた男の死霊
   
 それぞれの証言はなるほどと思うほど説得力があります。しかし、武士の死因については、殺人または自殺というふうに見事にくいちがっています。
 
 結局、真相はどうなっているのか、犯人はいったい誰だったのかはまったくうやむやのままになっています。それぞれの供述調書を並べただけといえます。
 
 私の勝手な想像ですが、芥川は、関係者があまり多すぎても、つまり情報提供が多すぎてもかえって真実がわからないこともあるといいたかったのでしょうか。
 情報のねつ造や情報操作もあり、真実はどこにあるのか特定できないこともあるといいたかったのかもしれません。
 
 私たちは、関係者の言い分がくいちがったりして、真相がはっきりしない時に、「~は闇の中」とか「~は霧の中」とかいいますが、この小説の題名をそのまま使って「まるで藪の中」というふうにも使っています。
 なお、海外では、これを映画化した「羅生門」の題を借りて、「まるでラショーモンのよう」といいあらわすこともあるといいます。

 この作品は推理小説の一種としても高い評価を得ています。
 映画が完成した時に、当時の大映社長は「この映画はわけがわからん」と批判していたそうです。

 私が「羅生門」を最初に見たのはたしか20歳前後でした。人生の経験不足で、私も、その時はまったく訳がわかりませんでした。
 芥川の小説にある 「羅生門」とは関係がありません。

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