12月1日 曲亭馬琴が死去
1767年の今日(旧暦11月6日)、江戸時代後期の読本作者・曲亭馬琴が82歳で死去しました。
馬琴は、江戸の深川で、旗本用人の五男として生まれました。
9歳の時に父が亡くなり、その翌年に長兄から家督を譲り受けて、松平家に仕えましたが、15歳のとき松平家を出て放蕩生活に入りました。
その後、1年以上も江戸市中を放浪したり、医学を学んだりしましたが、どれも長続きはしませんでした。
24歳になって山東京伝の門に入り、黄表紙作家として登場しました。黄表紙とはさし絵入りのこっけいな読み物のことです。
1793年、履き物商の未亡人のもとに婿入りしますと、生活の安定を得て、家業には力を入れず、著述にいっそう精を出すようになりました。
あるとき上方を旅しましたが、この旅のあとは読本(よみほん)に情熱を注ぎはじめました。
読本というのは、文章を主とした読み物のことで、現在の小説に近いものです。
やがて、かつての師である山東京伝を追い越して読本の第一人者になりました。
読本に転向したあと、傑作の一つ「椿説弓張月」を出し、後編・続編と書き続けました。 82歳で亡くなるまでに読本、黄表紙、合巻、そのほか雑著あわせて約470種の著作を著しました。
なかでも28年の歳月をかけて刊行された「南総里見八犬伝」は超有名です。
この「南総里見八犬伝」は98巻106冊からなっています。
登場人物は4000人を越えています。
安房(今の千葉県房総半島)の武将・里見義実のむすめ伏姫(ふせひめ)の体内から飛び散った8つの玉から現れた8人の勇士が、おのおのの正義のために戦いながら巡りあい、助け合って悪者を滅ぼし、ともに里見家を再興させるというストーリーです。
馬琴は、中国の「水滸伝」「三国志」という小説をよりどころに、時代を室町時代に設定して雄大な伝奇小説を書き上げました。
終わりのところを書いていたころには、老齢と長年の多忙な作家活動のために、目が見えなくなっており、息子の妻・お路に口述筆記をしてもらっていました。
馬琴が家業を手伝わなかったため夫婦中はよくありませんでしたが、口述筆記にも妻のお百が嫉妬して、何かとお路をいじめていたということです。
映画にもなってとても有名な読本ですが、ものすごい長編です。
山田風太郎の「八犬伝」は、八犬伝の筋を紹介しつつ馬琴の生活も描くもので、簡潔に書き直してあり、読みやすい入門書です。
私も読みました。
皆さんも一読なさってはどうでしょう。たいていの図書館にありますよ。
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