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11月10日 トイレの日

 今日は「トイレの日」です。1986年に日本トイレ協会が制定しました。「いい(11)ト(10)イレ」の語呂合わせです。

 今日は、クサイ話になって、恐縮です。

 日本語では、古くは、あからさまに口にすることが「はばかられる」ために「はばかり」とよばれ、「雪隠(せっちん)」「厠(かわや)」「手水(ちょうず)」ともいわれてきました。
 また「お手洗い」「化粧室」「ご不浄」といい替えたり、「トイレ」「W.C」「LAVATORY」などと外来語になったり、男女を示すマーク(図柄)で表したりすることが多くなりました。
 「お便所」とか「おトイレ」とか、丁寧に?いう人もいますね。

 古くは糞便をそのまま河川に放流していましたが、他方、日本では肥料として売り買いされていました。
 かつて私が育った家の糞尿を近くの農家の人が直接汲みにきていました。天秤棒の前後にあふれんばかりの桶を担いでいました。
 田舎には、そのために肥だめが作られていました。田舎に行くとクサイので「田舎の香水」なんて呼んでいたものです。
 肥だめに落ちて、命を落とす幼児もおりました。
 
 また、豚小屋の上に便器を置いて、飼育している豚に糞便を食べさせた豚便所というのもかつては日本にもあったそうです。私は初耳です。
 同じように、糞便が直接、あるいは豚便所から流れるところに池を作って、そこで魚を育てていた例もあります。
 
 私たちは、水洗トイレでトイレットペーパーで処理しますが、紙を使うことが文明的とは限りませんが、紙を使うのは世界中の人口の3分の1にすぎません。
 トイレにも、民族性があるのです。

 世界的に見れば、完全に他人を遮断する日本式のトイレのほうが例外的で、欧米では完全に密室にすることのほうが、犯罪の温床となって危険だと考えられているのです。
 非行で荒れている中学校では、たしかに密室が仇になっているケースもあります。

 仕切りがないオープンタイプのトイレで知られているのが中国の便所(厠所)です。
 しかし近年は外国人観光客が増加していることもあり、また衛生上の問題などからも、個室タイプの水洗トイレが多くなってきています。
 古くから、中国では、むしろ便所は住民同士が会話をかわう場と見なされて来たそうです。

 トルコ式という言葉があることからもわかるように、トルコの大便器は、またがり式です。
 また、一部外国人向けのものを除いて、用便の後始末には、トイレに備え付けてある小型の容器に入った水と、左手を用いて肛門を直接洗いますので、紙は使用しないようです。
 これは、上達すれば驚くほど少ない水量で洗浄が可能であるということです。
 この方法は痔になりにくいといわれていますが、たしかにその通りでしょう。
 肛門を洗うのは左手です。
 左手は不浄の手と見なされ、食品を扱ったり、握手をしたりすることはありません。

 アラビアなど砂漠が多い乾燥地帯では、砂に混ぜて乾燥させてしまう処理の方法もあります。
 また、エジプトやヨルダンなどアラブ世界や、タイなど東南アジアにおける便所も、トルコの便所とほぼ同じです。街中の公衆便所は原則として有料です。

 ヨーロッパでは、トイレは部屋の一つとして発達しなかったのでしょうか。
 中世のヨーロッパ都市では、部屋の中の出窓のように拡張された一角で、目隠しのついたてをした中でおマルを使っていました。排泄物は、窓から通りに投げ捨てられていました。
 そのため、路地の汚物で衣裳の裾が汚れないよう、オーバーシューズやハイヒールが発明され、街頭から建物の中に入るのに段差をつけたりしたといわれています。
 本当かなあ、と思ってしまいますね。

 そういえば貴族の館・ヴェルサイユ宮殿などでは、トイレがなく、広大な庭園の花壇が用足しの場所であったということは有名なお話です。
 貴族の女性の大きなフレアの広がりのあるスカートは、そのまましゃがんで、他人から見られることなく、用を済ませるための工夫でもあったといいますが、これも本当かなあと思いますね。
 こうした不衛生きわまる不幸な結果が、コレラやペストの大流行でした。

 富士山などの高い山に設置されるトイレの場合、物理的に汚物の処理が困難なことから、シーズンが終わると貯留された汚物をそのまま山肌に放流することがが行われていました。
 富士山が世界自然遺産の登録から漏れたのは、このトイレ問題のためといわれています。
 トイレの使用は有料であることが多いので、道をそれて、直に用をたす行為も多いといわれています。
 
 飛行機のトイレは、古くは汚物を空中散布していたこともあったそうです。ウソーッといいたいところですが事実らしいです。
 現代では、水を節約するために飛行機内の与圧と外部との気圧差を利用して汚物を吸引するタイプの真空吸引式トイレに置き換わりつつあるとのことです。
 宇宙船の中では乾燥させたりするようです。 .

 鉄道の列車内のトイレでは、在来線では長い間汚物を線路上に落下させる「垂れ流し式」でした。
 トイレに入ると便器の穴から線路が見えていました。停車中は使用をひかえるように注意がありました。
 線路脇の民家も、踏切で列車の通過を待っている人も、いわゆる「黄害(おうがい)」の被害者でした。
 窓を開けて風に当たっているつもりが、冷たい水が私の顔に当たったということがありました。
 この飛散問題に対する苦情のため、古い車両の廃止、新車への取り替えが進められ、2000年以降は垂れ流し式はほとんど姿を消しました。
 しかし、逆に、車内のトイレ設置自体がなくなってしまう路線が発生し、大きな問題となっています。

 どこに移動してもトイレの問題は重要で、小中学生・幼児の遠足や、孫を連れた外出、登山や釣り、災害が発生したときなど、あらかじめ対策を練っておかないとたいへんなことになります。

 なお、近年ではバイオトイレとよばれる新たなしくみのトイレが注目されています。しくみは単純で、便槽の中におがくずが詰め込んであり、攪拌することで排泄された糞尿をオガクズの中に住み込んでいる好気性のバクテリアが分解し、最終的には土と水のみが生成されるものです。
 災害時の仮設トイレには有効に使えそうですね。

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