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9月4日 空襲にそなえて動物を薬殺(上野動物園)

 1943年、東京の「上野動物園」では空襲に備えて動物が薬殺されました。

 動物の処分命令は、1943年7月1日、東京都の初代首長によって出されました。
 上野動物園では、近いうちに命令が来るのではと感じていたようです。処分命令が出される約2年前には動物園非常処置要綱が制定され、万が一空襲があった場合の非常処置が細かく記載されてあってからです。
 
 その要綱には、猛獣の危険度によって、第一種(熊・ライオン・象・虎など)から、一番危険度の低い第四種まで分類されていました。
 また動物たちの処置の時期については、 空襲が来たら動物の毒殺を開始するということが指示されていました。

 実は、1936年に上野動物園内からクロヒョウが逃げ出して問題となった事件がありました。上野動物園黒ヒョウ脱走事件とよばれています。
 その上、すでに戦局が連合軍優位のもとで激しい空襲を受けていたドイツでは、 空襲をうけたとき、動物園から数匹のヒョウが逃げ出して、市民(数人の小学生・消防隊員)が食い殺されるという事件がおこっていました。
 このような事件が、動物の処置につながっていったという見方ができます。

 この処分命令は都道府県を通じて全国の動物園にも一斉に発令されていますので、各地の動物園でも、多くの動物が殺されていきました。
 
 その結果、終戦時には、日本国内では生きた象は名古屋の東山動物園にいた2頭だけになっていました。
 これは、当時の園関係者が相当の懇願をしたものとおもわれます。
 その東山動物園でも、ライオン・虎などの肉食獣に関しては処分に踏み切っています。

 上野動物園で処分対象となった猛獣は以下のとおりです。
 ホクマンヒグマ(1頭)・北極熊(2頭)・マレー熊(1頭)・アカ熊(1頭)・日本熊(3頭)・ヒグマ(1頭)・朝鮮クロクマ(1頭)・トラ(1頭)・ヒョウ(2頭)・黒ヒョウ(2頭)・コヨーテ(1頭)・シマハイエナ(1頭)・チーター(1頭)・ライオン(4頭)・満州狼(5頭)・河馬(3頭)・アメリカ野牛(2頭)・クロザル(1頭)・ブタオザル(1頭)・マントヒヒ(6頭)・象(3頭)・ガラガラヘビ(1頭)・マムシ(2頭)・ニシキヘビ(2頭) 
 
 処分は、命令された当日の閉園後からただちに実行に移されました。また秘密を厳守するために飼育員の家族にも口外禁止とされました。

 象にも硝酸ストリキニーネを入れた毒入りじゃがいもを与えましたが、繊細な象には分かってしまい吐き出しました。
 そのため、餓死させるという苦渋の選択が取られたのです。
 
 これは「かわいそうなぞう」「象のいない動物園」「トンキー物語」などの児童用物語のもとになった実話です。   

 飼育係職員は、気性の荒いジョンの処分は仕方ないと思っていました。
 気性が穏やかで性格も優しかったトンキーとワンリーは何とか救ってやりたいと、園長代理だった福田三郎に懇願したということです。
 
 また福田自身の考えも、トンキーとワンリーを救いたいというものでした。
 そのために他の動物園にトンキーたちを譲る話を持ちかけてみると、仙台の動物園が引き取ってもいいと前向きな姿勢をみせました。
 しかし、東京都の大達長官の反対で話しはつぶれてしまいました。

 そして、1943年(昭和18年)9月23日の真夜中午前2時42分、最後まで生き残ったトンキーがにこの世を去りました。
 実に絶食開始から30日という、象にとっても、関係者にとっても、長き苦痛と苦悶と悲哀に満ちた日々だったことでしょう。

 軍がどの程度の直接的関与をしているかは意見の分かれるところですが、戦争中でなければ「薬殺」はあり得なかったのは事実でしょう。
 「薬殺」が2度とおこらないような平和な社会でありたいものです。

 参照:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 
 

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