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7月21日 エジプトのアスワン・ハイ・ダム完成

 1970年の今日は、エジプトのナイル川にアスワン・ハイ・ダムが完成した日です。
 
 古いアスワンダムは、アスワン・ロウ・ダムとも呼ばれていて、1901年に完成しています。アスワン・ハイ・ダムは、アスワン・ダムの6.4km上流に建設されました。

 ナイル川といえば「洪水」と歴史で習ったとおり、ナイル川の氾濫(洪水)を防ぐことはエジプトに人々の願いでした。もう1つは砂漠の農業利用です。
 アスワン・ハイ・ダムは氾濫の防止と農業用水の確保を目的に、当時のナセル大統領がソビエト連邦の支援を受けて国家的事業として計画を立てて建設しました。

 10年かけて建設されました。高さ111m、全長3,600mの巨大ロックフィルダムです。 アスワン・ハイ・ダムにせき止められてできた巨大な貯水池はナセル湖と名付けられました。その面積は琵琶湖の8倍もの大きさです。

 アスワン・ハイ・ダムの完成によって、毎年のようにおこっていたナイル川の氾濫を防止することができました。
 また、12基の水力発電装置から210万キロワットの電力を供給することができるようになりました。
 ダムにより出現したナセル湖から供給される水は不足がちの農業用水を安定させ、砂漠の緑化も行われました。
 エジプトからスーダンにいたる広大な感想地域で耕作ができるようになりました。周辺国でかんばつがおきても、エジプトではまったくかんばつがおきないといわれています。
 また、ナセル湖の漁業はとても活発になり、豊富な水産物は重要な食料として活用されています。
 今では、周辺の遺跡とともに、観光地となっています。

 しかし、良いことばかりではありませんでした。いくつかのリスクをともなったのです。
 ナイル川は、毎年夏に定期的に洪水が発生していたので、下流域に肥沃な土壌を形成することに役立っておりました。このため古代文明がおこったことはよく知られています。

 ところが、上流から流れてくる栄養豊かな水がアスワン・ハイ・ダムでせき止められ、その時に栄養分が湖底に沈んで積もるので、ナイル川下流域では、土壌痩せが深刻となっています。
 地中海にそそぐ三角州地帯ではナイル川からの土砂供給の減少によって、侵食が激しくなるという影響がでました。
 また河口付近の地中海の生態系への影響もありました。地中海の魚類の成長が遅くなり、漁獲高が減少したという報道を聞いたことがあります。栄養豊かな水が海にそそがなくなったからです。
 ナイル川の生態バランスを破壊したなどの批判もあります。

 ナイル川流域には数々の重要な遺跡があります。もともと低い土地にあったのですが、ナセル湖底に沈むのを防ぐため、ユネスコの援助で、高い土地に移築されました。
 ところが、川の水が安定した水位を保つようになったので、水分が周辺の土壌にしみ込み、その上に建つ遺跡へ水分が侵入することになりました。
 史跡の保存上、悪影響があると考えられ、対策の必要性が論じられています。

 プラス・マイナス、双方の影響がありますが、アスワン・ハイ・ダム無しにエジプトは生きてゆけないでしょう。
 マイナス面をいかに克服するか、大きな課題です。
 なぜなら、中国の黄河も三門峡ダムができてから、洪水はなくなり、農・工業用水の需要は満たされましたが、下流では断水という現象がおきていました。
 黄河に水がないとは・・・・。

 日本でも、ダム建設がさかんですが、流域の環境を大きく変える建造物なので、地域住民の意見を取り入れて、慎重に進めてほしいと思います。

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